わたしがこれまでに出会った人の中で一番理解不能だなーと思ったのは、28歳くらいの時に半年くらい連絡をとっていた男。
まず、常識が違うと思った。
「LINEはmeiちゃんからしてきてね。夜途切れちゃっても、朝になったら送ってね。」
と言われた。
ほぼ毎日LINEをしていたのだが、1日が終わると彼の中でラリーはリセットされるらしい。彼は芸人さんのお仕事をしていて毎日忙しくお休みの日が半年に数日くらいしかなかったし仕方ないのかなとは思ったが、付き合ってもいないし、それに順応することはできなかった。
顔も別にかっこよくはないが、さすがお話は面白かった。
会う時はほぼ毎回、後輩芸人を連れてきた。その人たちのお名前は、大体ひらがな表記だった。（どうでもいい）
その後輩芸人は、合コンでもなく先輩がただ女と仲良くごはんを食べたりカラオケでわいわいしているところを見せられてもニコニコ笑っていた。先輩の武勇伝や自慢を聞いてオーバーリアクションで盛り上げたり、ボケたりツッコんだり、たまに気を利かせて席を立ったり、まるでそれ専門の業者？そこにはたしかに存在するのだけれど、透明人間のようだった。
この後輩の人は・・どんな気持ちで今そこに座っているのだろう・・。気持ちわるくないんかな・・・。と毎回思っていた。そんな連れてこられた後輩の方の気持ちの方が気になってしまって、いつもそちらに話しかけてしまっていた。
そんな後輩の人は、売れるのだろうか。売れていくのだろうか。きっと彼らもその当時30代前半だった。
「こういう感じの会に呼ばれて、どんなことを思う？」
と聞いてみたことがある。それでもその後輩の人は、ニコニコと笑っているだけだった。その笑顔がちょっと悲しく、怖かった。
時々二人きりでデートすることもあった。それはそれで楽しかったのだが、23時半くらいになるとしっかり解散し、特に何も起きなかった。
仕事/並行している女/わたし
そんな3つのバランスをとりながらふわふわと浮遊している感じがした。
結局、付き合うことはなかった。
悪い人ではないし、しっかり話もしたけれど、なんだか掴めなくて、もう数年来の知り合いだけど、毎度会っても何故か距離は縮まった感じかしない。
