心をほどく

エッセイ

「自分は人生の主人公であって、周りの人は人生を彩ってくれる登場人物。」

先輩と食事をしていて、ふと会話の中で放たれた言葉。なんて素敵な考え方なんでしょう。

たしかに、人にどう思われるかとか、彼氏彼女に嫌われたくないとか、仕事できないと思われたくないとか。いろんな人の評価だったり自己肯定感が下がる瞬間っていっぱいある。

無意識に放たれた言動に傷つく日々に気づかないふりをして、我慢して、笑って、どこかに自分の救いを求めている気がする。

そんな他者が自分に向ける言動に集中するあまりに、自分の人生の主人公が逆転してしまうこともあるのではないか。”他者”にこう思われている自分。

相手のことを思いすぎて、のめり込みすぎて、見失う。

営業職の人にありがちだと思うけど、相手が今どう思っているかの感情の機微に敏感だ。

それを察知して、共感したり相手の求めているであろうリアクションをする。それが行き過ぎると、呼吸するようにそれができてしまう。そうすると、気付かないうちにとても心が疲れてしまう。

そんなことしたくないのにね。

そこでさっきの先輩のお言葉。

ー自分が人生の主人公で、周りの人は登場人物。

本当にそうだし、登場人物はシーンによって入れ替わるし、現れるし、消える時はいとも簡単に消えていく。

自分を強く持つ。それは他者と戦うとかそういうことではなく、自分が自分をハンドルする。

よく、「自分の機嫌は自分でとろう。」とかいうけど、それもこの自分をハンドルすることの一つだと思われる。

自分と向き合う、他者と向き合いすぎない、ってことも大切なのかもしれない。

その食事ではあと2つ先輩の金言があった。

「meiちゃんは、その彼と一緒にいる時の自分が好き?」

ドキッ!!そんなことを考えたことがなかった。お恥ずかしながら・・

彼と一緒にいる時の自分が好きか。彼と一緒にいる時の自分てどんなだろう?どんな顔してて、どんな気持ちで、どんなこと言ってる?

(略)

これもまた、自分が主人公の考え方なんだなと、感心した。

そしてもう1個が、

「結婚は、できるかなぁじゃなくて、この人と決めたからする、決めたからできる。」

その先輩が言うには、自分も今の旦那さんとの結婚が正しかったかなんてわかんないし、もっと他の人と結婚していた可能性もある、と。でも、自分が年老いてから身体も弱くなってきた時に、困難を一緒にあーだこーだ言いながら、今の旦那さんとなら乗り越えられるし、乗り越えたい。と思うのだそう。

ジーン。たしかになぁ、、と思ってしまった。人生の最期をどんなふうに迎えたいか。そういうこともあるよなって。孤独と付き合い続けられるのかとか、温かみってどんな感じ?とか。

先輩のお友達が、先輩の旦那さんに、「なんで⚪︎⚪︎と結婚したんですかー?」と聞いたところ、

「決めたからです。この人と結婚するって決めたからです。」と答えたそう。

なんか素敵・・・素敵すぎる・・

単純にかっこいいし、かっこいい。覚悟が決まってる。

決めたからには、なんとかする、どうにかやっていく。ということなんだって。

私は、そういう覚悟や関係性の温かみとか幸せとか苦労とか、そういうことから逃げてきたのかもしれないと、少し反省したとともに、そういう温かみに触れることができたらいいなぁ、そんな人生も素敵だなぁと、久しぶりにそういう幸せの形を前向きに捉えることができた。

自分の凝り固まった心を解いてくれる、そんな先輩のお言葉だった。

ありがとうございます。

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