婚活に狂った時期があった。
自分が28歳くらいからだったか、毎週のように合コンをしていた。その時の基準は、スペックが一番だった気がする。たくさんの高スペックな方々と出会わせてもらった。
でも、結局は付き合うに至ったのは1人だった。その彼をいいなと思い付き合ったのは、スペックという部分だけではなく、身長が高くてドアを開けてくれた時に自分の頭の上でドアをおさえてくれたことにキュンとしたことや(チョロい)、これまで出会った男性にはない豪快さ、音楽や映画などのエンタメの知識、そして押しの強さが理由だった気がする。自分なりにも、スペックだけではなく中身も見て判断した”つもり”になっていた。
だが、この恋愛は3年程続いて同棲も経て、プロポーズ目前で破局となる。
彼と付き合うなかで、今まで自分がしたことのない大胆な経験などもたくさんさせてもらった。大胆と破天荒は紙一重で、苦労したことも多くあった。
ある夜、彼の家に行くことになって、先に入ってて!と言われて家に入ると、電気がつかなかった。なのに、彼は友人との麻雀を切り上げられずにわたしを暗い家で待たせようとした。
わたしは愕然とした。お金が払えないわけではないのに、電気がつかない。そんな状況なのに麻雀を切り上げない。頭の中に?がたくさん浮かぶとともに、怒りでいっぱいになり、わたしは自分の家に帰った。
そんな彼の「だらしなさ」がポロポロと見えてきた頃、同棲をすることになった。今となっては、その時点でやめておけよって思うのだけど、恋愛って盲目。他の楽しい時間もあったので、一旦目を瞑った。というのと、その時の自分が恋愛に逃げたい時期だったので、そこに逃げ込んでしまった。
同棲している中でも、彼のギャンブルとだらしなさが原因でとにかく喧嘩をした。その度に、彼は謝ってくれて、「⚫︎⚫︎の時は△△する、というルールを細かく決めてくれ」と言った。
どれくらいのルールになっただろうか、彼はそれを逐一守ろうとしてくれた。が、ルールの根底にあるわたしの気持ちやわたしの常識を理解してもらえることはなかった。1年くらいして、ルールで縛ることの限界がきた。ルール作りの番人も疲労困憊。
一度破局。
破局後1年くらいしてから、また連絡がきた。会ってしまった。わたしは別れてから悠々自適に幸せに暮らしていると言いたかったが、特に新しい彼氏もできずにいた。また、彼の押しに負けて数ヶ月後に復縁してしまったのだ。
その後も同棲して、きっと1年の間にお互い変わっただろうと淡い期待を寄せて過ごしてみた。
全然変わっていなかった。
悲しいくらい同じことで喧嘩した。だが、彼は結婚の話を進めようとした。わたしも迷いながらついていった。が、結婚を本格的に視野に入れて過ごすと、とても悩むようになった。
毎日が鬱々として、いろんな人に相談をして、悩み抜いた結果お別れをした。
この恋愛はなぜうまくいかなかったのだろう。と考える。
たぶん、好きじゃなかった。のだと思う。とっても失礼なのだが、始まりから「異性として」好きじゃなかった。友達としてはとても楽しかった。それを好きと錯覚してしまった自分が狂っていたのと、押しに負けて付き合ってしまったことの功罪。
異性として、顔だけでも、好きであれば、こんなことにはならなかったか?
いや。第2に、根底の価値観の違いの許容を超えていたこと。ギャンブル、だらしなさ、に加えて異性として見られない、となると関係を深めていくことには前向きになれなかった。
相手のことを本当に好きか?どこが好きか?好きじゃなくても、我慢できる何かポイントがあるならいいのかもしれないが。たとえば億万長者とか?
わたしにはそれが無理だった。好きになれなかったし、理解し合えなかった。
お互いにルールを作って、成長できた部分があったかもしれないけど、根底の人の本質ってなかなか変わらない。また、中身も大事だけどある程度異性としてトキメキがあるかは大事な観点なのだと、この恋愛で学ばせてもらった。(遅)
今は、本当にあのまま結婚に進まなくてよかった!と思っているし、自分の好きな人ってどんな人?という軸をようやく考えられるようになってきたと思う。
今度は、自分が本当に好きな人と、できれば自分から好きを伝えること楽しみながら、付き合えたら嬉しい。