東京ラブストーリーというエモドラマ

エッセイ

最近エモ映画を観すぎて、最終的に東京ラブストーリーに辿り着いてしまった。

観ていると、毎分毎秒心がなんとも言えない苦々しい気持ちになる。ドラマ全体が終始恋愛の描写で、息つく暇も無い。彼ら、仕事もしていない。

余白なく常に恋愛をしている。

登場人物みんなの心がわかりやすく、痛いほどに気持ちが伝わってきて・・・(共感できるかは別として)

いつの間にかもう2話の予告でカンチはリカって呼んでいるし。うぅ、トレンディー!

この、リカの献身的な小悪魔的なメンヘラ的な、サバサバしているようでストーカー的な、奔放さの中に繊細さを兼ね備えているこの感じ、恋敵には絶対にしたくない。

あざとくて何が悪いの?@昭和 を地でいってるかんじがすごいなぁと感心。

好き好きーって押したかと思えば、気に食わないことがあるとプンっと可愛く怒って無視して、相手に謝らせる。

「ご飯何食べたい?」と聞かれたら、「キャビアでも?フォアグラでもいいの?」とハードル上げてからの「熱々のおでんが食べたーい!」

恐ろしい!きっとかしこくていい子なんだけど、女友達にはしたくないタイプ!

いつも明るくキラキラさっぱり!なのに、ふと悲しい顔を見せる。相手の対応を見てコントロールしているのがすごい。

全面的に自分を肯定してくれるのに、なぜか手に入りそうで入らない。そういうところに男はキュンと来ちゃうんだよね。(最初はね。)

と、思ったのは3話くらいまで。

1番厄介でぜったーーーいに友達にならないのは、関口さんですよ。

こういう一見真面目で控えめな女性はなぜか真面目な男にも悪い風な男にもちょっかいを出す。

本当に悪い男はリカみたいな人が相手をしている。だから、悪い風の男を狙う。

三上くんは「悪い風」なので、本当は純粋でチョロくていい奴。そういうのを翻弄するのが、関口さんみたいな一見地味で控えめに見えるけど、自我を突き通すのがうまい女。こちらは女子に嫌われる。お友達もモテない同僚女性しかいなかったでしょ。

リカも厄介だが、女子にはなんだかんだ嫌われないタイプ。

奔放そうに見えて、ほんとの本音は隠していたり、実は周りのために我慢していたりする。モテなくはないけど、不器用な所がある。

関口さんみたいな量産型の控えめな女性を大半の男は今も昔も好きだし、リカのような女は仕事も恋愛にも不器用に向き合いつつ、一人が楽なのは今も昔も同じ。

あともう一つのメッセージとしてこのドラマから受け取ったのは、結ばれない縁はどう足掻いても結ばれないし、結ばれる縁は何があっても結ばれるということ。というか、切れない。

なので今、恋人に会えなくて寂しい人もラブラブ絶頂期で別れるのが怖くなっている人も、焦らなくていいしジタバタしなくてもいい。結果はもう決まっているのだ。(誰)

会える人には会えるし、会えない人には会えない。小田和正のあの主題歌がヒットしたのは、切ないメロディーやドラマの相乗効果、など色々な要因があると思うけど、

誰にでも当てはまる、よく考えたら当たり前の、あの歌詞が世の男女に刺さりまくってたからなのではないかと思う。

「あの日あの時あの場所で君に会えなかったら、僕らはいつまでも見知らぬ二人のまま」

昔、高校の時からの腐れ縁の元彼と社会人になっても定期的に会っていた。

その時になぜか「今東京ラブストーリーを観てるんだ。江口洋介がかっこいいから見てよ。」と、何回か言われたことがある。

その時は何も思わなかったけど、実際に見終わった今、え、何か言いたかったのかな?とふと思ってしまった。

いや、普通にただおすすめしただけで、何も言いたくなかったのかもしれない。

でも、それを勘ぐるくらいエモいドラマであることはたしかだし、その元彼の一言のせいでさらにエモさを増していたのかもしれない。

(エモすぎ)

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